真言宗智山派吉祥院珍珠山

仏教コラム

わかりやすくQ&A位牌【亡き人の魂の居る場所】

Q1位牌ってどんな意味があるの?
 あなたのお家のお仏壇の中を見てください。亡き人の戒名が記された位牌が置かれていますね。表には中央に戒名が記され、その上に梵字の「阿」の字、下には「位」と書かれています。そして戒名の両側に死亡年月日があります。裏を返すと俗名と享年齢が記されています。
 位牌の意味は……そうですね。位は「くらい」「居るべき場所」「品格」などの意味があるとか。牌は「たてふだ」「名ふだ」「功績などを記す板」という意味があるそうです。そうなると位牌は「居るべき場所を記す名ふだ」ということになるでしょうか。亡き人が仏さまに成った戒名を記した名札。それが位牌ということになるようです。
Q2亡くなった人の位牌はどうなるの?
 ご家族の誰かがお亡くなりになると、吉祥院のお檀家さんならお通夜までに戒名を付けて、白木の位牌に墨書したものを祭壇にお祀りします。この白木の位牌に戒名を付けたものが仮位牌となり、通夜・葬儀にて魂入れ(開眼)します。七七日忌(四十九日忌)までに本位牌(黒漆塗り)を造るのですが、それまではこの仮位牌をご遺骨の前にお祀りして、亡きみ魂をご供養します。
 七七日忌のご法事の際には、これまでの仮位牌と新しい本位牌をご本尊さまの前にお祀りして、本位牌に魂を入れます。ご法事が終わって納骨が済んだら、本位牌はお家のお仏壇にお祀りして、それからずっとご供養します。仮位牌は七七日忌以降、吉祥院でお預かりして、位牌堂に安置して毎朝、ご回向いたします。そして毎年、7月5日に行われる大施餓鬼会み魂まつり法要にて大勢の僧侶にご回向いただき、お焚きあげします。
Q3位牌はどのようにあつかえばいいの?
 お仏壇にお位牌をお祀りする時は、一番奥の高いところにご本尊・大日如来、その両脇、向かって右に弘法大師空海、左に興教大師覚鑁の軸をお祀りします。本尊さまより一段下がった壇に亡きみ魂、ご先祖さまのお位牌をお祀りします。最も新しい仏さまを中央に、それから新しい順に左右に安置します。
 ご両親が亡くなられて、一つの位牌に夫婦で戒名を記すことも良くあります。またお位牌が多くなって仏壇が手狭になれば、合祀する場合もあります。三十三回忌を迎えたお位牌は○○家先祖代々精霊と記した位牌を造って合祀することもあります。さらに、過去帳としてご先祖さまのお戒名を記したり、くり出し位牌を造ることもあります。詳しいことは菩提寺・吉祥院にご相談ください。

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