かぜのたより
風(かぜのたより)信  -No.34-
 "仏"って何でしょう?あなたは「仏」と聞いて何を思い浮かべますか? 仏像ですか? お寺のご本尊さまですか? お仏壇の奥にある本尊さま、道端にまつられた野の仏でしょうか? または、もっと具体的に、観音さまやお地蔵さま、お薬師さまやお不動さまなどですか?
 あなたは仏さまと出会うことがありますか? 仏さまに手を合わせて拝み、祈ったことがありますか? お仏壇にご本尊さまがまつられていて、お仏壇を毎日拝んでいれば、あなたは仏さまといつも出会っていますよね。お墓参りなどの時に、菩提寺のご本堂で手を合わせて祈れば、あなたは仏さまと出会っていることになります。街中でも、道の角や端におまつりされている野の仏に手を合わせていても同じことです。仏さまと出会い、祈る。私たちの父母や祖父祖母、ご先祖さま。日本人はずっとずっとそうやって仏さまに祈りをささげ、仏さまと出会うことをくり返してきました。それは一体、なぜなのでしょう?
 仏さまと出会うと何があるのでしょう? これまで日本人は、なぜ、こんなにも仏さまと出会ってきたのでしょう。仏さまに祈ってきたのでしょう。それは、どんなに科学技術が進み、便利で快適な暮らしが送れるようになっても、私たちの心はいつも不安や苦しみや、思いまどうことが次から次へとあふれてくるから……。自分一人ではどうにもならないことがいっぱいあって、至らない自分を痛いほどわかっているから。だから、祈る。仏さまと出会って手を合わせてきたのではないでしょうか。
 でも、苦しい時の神頼みとは、ちょっと違います。仏さまと出会って、向き合い祈る。それをくり返すと必ず気づくのです。それは何でしょう? 向き合っている仏さまと同じものが、自分の中に息づいていると感じられるのです。自分の内に、キラキラと輝く仏さまがあることに気がつくのです。
 あなたの可能性を仏と呼ぶ……それが仏教の教えの根本です。あなたの中には可能性がいっぱいあふれています。それは幼い子でも、歳を重ねたお年寄りでも、質は違っても可能性はいっぱいあふれています。その可能性を始めから拒んであきらめてしまったら、もう夢も希望もありません。
 仏さまと出会うことは、あなたの中の可能性を見つけること。あきらめない、逃げ出さない、くじけない気持ちを抱かせるのが"ホトケ"の正体です。自分の内の可能性を「仏」と名づけ、それをかたちにしたものが仏像です。だから、かたちとなった仏さまを拝み、祈りをささげ、仏さまと出会う。そうすれば、あなたは自身の可能性に気づくはずです。仏とはあなたの個性の理想となるもの。それを姿かたちに現わしたのです。
 だから、仏さまと出会って下さい。それは、あなたの可能性に出会うこと。仏さまに祈って下さい。あなたの目指すことが実現するように……。何歳になっても、あなたの可能性は見つけられるはずです。そう、仏教はあなたを未来へと導く教えです。

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