かぜのたより
風(かぜのたより)信  -No.37-
 仏とはどんなものなのでしょうか? ご本尊さま、仏さま、のんのんさま、如来、菩薩、明王など、仏さまにまつわる呼び方、名称はいっぱいあります。そもそも「仏」とは何なのでしょう? お寺のお堂に祀られている仏像。あれを仏さまと呼びますよね。お寺によってはさまざまな仏像が安置されています。その中で中心(主尊)となる仏さまをご本尊さまと言います。一家の大黒柱みたいなものです。
 また、仏さまはいくつかのグループに分けられます。悟りを開かれた仏さまは、如来という肩書がついて、大日如来とか薬師如来、阿弥陀如来などがあります。悟りを目指して修行中の仏さまは、菩薩と名乗ります。観音菩薩、文殊菩薩、弥勒菩薩などがそうです。明王は怒った表情の仏さまで、不動明王や愛染明王などです。仏教を外敵から守る仏さまは毘沙門天や帝釈天というように天がつきます。
 誰もが仏に成れるのでしょうか? 答えは「成れます」です。いのち果てた時、お葬式で菩提寺の住職が引導を渡します。この時に戒を受けて、仏の世界で生きる戒名を授かります。仏の教え(法)を授かるのです。いわゆる「迷わず成仏する」わけです。さらに、この身このまま成仏できるというのが真言宗の教えです。死ぬ前から、生きている時に承継受戒式や結縁灌頂を受ければ仏に成れるのです。そして、真言宗の世界を生き、仏さまを信仰する暮らしが始まります。
 真言宗の世界とはどんな世界でしょう。それは現図両界曼荼羅という図絵に現わされています。そして、皆さんの菩提寺のご本堂の奥、内陣に仏の世界が現わされます。今風に言えばビジュアル化したものです。だから、吉祥院のご本堂をお参りすれば、あなたは仏さまの世界に触れることになります。あなたの身近に仏の世界はあるのです。あなたのお家のお仏壇の中、それもご本堂の内陣をミニチュアにしたものですから、仏の世界なのです。
 仏の性質とはいったい何でしょう。あなたの中に仏の性質があります。仏に成る素質が眠っているのです。それを「一切悉有仏性(いっさいしつうぶっしょう)」と言います。分かりやすく言うと、私たちの可能性、それが「仏」なのです。自分の内に眠る可能性を、仏教では仏と表現してきました。「あきらめない」「投げ出さない」「逃げ出さない」それが仏教。つまり、私たちの可能性を現わしたもの、あなたの理想の姿を仏と呼ぶのです。それを姿かたちにしたものが仏像です。
 だから、仏さまを拝めば拝むほど、信じて祈れば祈るほどに、あなたの可能性は目をさまし、少しずつ理想に近づきます。お仏壇の仏さま、菩提寺・吉祥院のご本尊さまに祈って下さい。すると、あなたの中に息づく可能性という仏が観じられるようになるのです。

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