わかりやすくQ&A人は死ぬとどこへ行くのか?~魂の行く先は?~
- Q1死んだらどうなるんだろう?
- 自分が死を迎えた時、どんな感じなのだろう?恐れを感じるのだろうか?安らかな心地なのだろうか?どんなに考えてもわかりません。真言宗の宗祖・弘法大師空海は「生まれ生まれ生まれ、生まれて生(せい)のはじめに冥(くら)く、死に死に死に死んで死の終わりに冥し。」と述べられています。
- 臨死体験をされた人たちの体験談は、共通することが多いそうです。例えば、病室のベッドに死んで横たわっている自分と、嘆(なげ)き悲しむ家族が見える。暗くなが~いトンネル(又は川)をあてもなく進んでゆく。その先に一筋(ひとすじ)の光が見える。暗闇(くらやみ)の出口から出ると、そこは、一面のまぶしい光に満ちた花畑が広がっている。花畑を進んでゆくと人が居て「帰りなさい!」と言われて目が覚める。そんな情景が記憶に残っているそうです。
- Q2本当に、迷わず成仏できるのかな?
- 吉祥院は、亡くなられた壇信徒に、葬儀で、真言宗の教えによる「引導(いんどう)」を渡し、「真言宗血脈(けちみゃく)」を与えます。血脈には、真言宗の教主(きょうしゅ)・大日如来(だいにちにょらい)が説いた教えを、正しく受(う)け継(つ)いできた高僧、総本山の歴代の化主(けしゅ)の名が記され、さらに、故人に引導を授けた吉祥院住職名前、最後に、故人の戒名が書き込まれます。これは、故人が正しく真言宗の教えを引き継ぎ、仏となった証(あかし)となります。これをお棺(かん)の中に入れて、荼毘(だび)に臥(ふ)すのです。
- 亡きみ霊(たま)は、お通夜での回向、葬儀での引導、さらには、参列者の祈りによって、その後、仏教で七日ごとに定められた仏さま、ご本尊さまの徳と戒律を授(さず)かり、弘法大師空海・お大師さまに手を引かれて、真言宗の浄土である密厳(みつごん)浄土に向かわれます。
- Q3三途の川の向こう、仏の世界はどんなところ?
- 三途(さんず)の川の向こう岸は「彼(か)の岸(きし)」と書いて彼岸(ひがん)と言い、仏さまの悟りの世界、浄土となります。こちら側は、今、私たちの生きている世界、「此(こ)の岸」と書いて此岸(しがん)です。浄土というと西方極楽(さいほうごくらく)浄土とはよく聞きますが、これは阿弥陀さまが主(あるじ)の世界です。それに対して、真言宗の浄土は密(ひそ)かに厳(おごそ)かな世界、密厳(みつごん)浄土と言い、主は大日如来です。大いなるまばゆい光に包まれた世界が大日如来の住(じゅう)するところです。
- 密厳浄土とはどんな世界でしょう?菩提寺の本堂の奥、ご本尊さまが安置されている空間が、それに相当します。きらびやかで、麗(うるわ)しい音楽が絶(た)え間(ま)なく聴(き)こえ、かぐわしい香りに溢(あふ)れています。きれいなハスの花が咲き誇(ほこ)る中で、大日如来がいつも教えを語ります。心の在(あ)り処(か)、心の有り様(よう)が説かれて、身体と言葉と心がひとつになった、無垢(むく)で喜びに満ちた心地になるところです。
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