真言宗智山派吉祥院珍珠山

仏教コラム

わかりやすくQ&A仏さまに祈る

Q1人はなぜ、祈るのかな?
 きっとこの瞬間も、世界中で多くの人が祈りを捧げているでしょう。世界中どの民族でも祈らない人はいないはずです。人は誰でも祈ります。では、なぜ人は祈るのでしょうか?
 人は誰もが様々なことを願います。願う、それが叶うと心が満ちる。願いが叶うように祈るのです。そして、もう一つ。亡くなられた人の冥福を祈ります。死んでからも、その人がどこかで迷うことなく、安楽で居ることを祈る。このように祈りは大きく分けて2つあります。一つは今いのちある人の願いが叶うように祈る。そしてもう一つは、今は亡き人のご冥福を祈るわけです。もっと大まかに言えば、人は救われたい、楽になりたいから祈るのかも知れません。
Q2仏さまって、なに?
 私たち日本人は、幼いころから神社仏閣にお参りします。神仏に祈ってきました。修学旅行に行けば、必ずお寺や神社にお参りします。お寺にはご本尊さま、つまり仏さまが祀られています。でも仏さまって何でしょう?
 仏さまは祈りの対象となる聖なるもの、と考えられます。仏さまには大日如来や阿弥陀如来のように「如来」と呼ばれるもの。観音菩薩や地蔵菩薩のように「菩薩」と呼ばれるもの。それと不動明王、毘沙門天のように「明王」や「天」という称号が付されるいくつかのグループがあります。
 ずっとずっと昔から縁があって、その土地の人たちの願いや祈りに応えてきた聖なる存在、支えとなってきた存在。それをホトケと呼んできたとも言えるでしょう。
Q3祈ると、どうなるの?
 私たちがいちばん身近に祈れる場所は、お仏壇です。それとお墓、菩提寺のご本尊さまです。何を祈るのか? 何か願い事が叶うように……。亡き人のことを想って祈る。日本人はきっと、あなたのお父さんお母さん。おじいちゃんおばあさんやご先祖さま。みんなずっとお仏壇に向き合い、手を合わせて朝には「今日も一日無事でありますように」夕方には「今日も無事でありがとう」と祈りを捧げてきました。
 祈る心と感謝の念。それが日本人の心を豊かにし、感性を鋭くしてきたと思います。自分のみならず、自分の周り、そして自分を支えてくれている存在に祈る。そうした存在に感謝できる。お仏壇に祈るのは、心を養うこと。供養する心は、自分の心を磨き、他への感謝を忘れない。それをかたちにしたものでもあるのです。

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