わかりやすくQ&A真言宗の教えって、なに?【5:仏を観じる実践法は?】
- Q1“ホトケ”って何なの?
- 仏教の中でも真言宗(真言密教)は、私たちが仏に成るにはどうしたら良いか、その実践方法を具体的に説き示します。真言宗の究極の目的は仏さまに成る。生きたまま、この身のまま成仏することです。仏とは自分が成りたいもの、人としての理想型、それを仏教では仏(ホトケ)と呼びます。また「悉有仏性(しつうぶっしょう)」という言葉があるのですが、これは、あなたの中に眠る仏に成る可能性のことを指します。
- 仏教はあきらめない、投げ出さない、逃げ出さない教え。つまり、人の可能性をどこまでも信じ切るのが仏教の教えです。そして真言宗ではその教えをさらに進化させ、具体的な実践法を培ってきました。人間の悩みや苦しみをすくい取る。仏の境地に至れば、安らかな心を得られます。
- Q2仏を観じる方法って何があるの?
- 仏に成るには、仏と出会い、仏を観じること。その機会をくり返していくと仏さまに成れると解釈します。それでは仏と出会い、観じるために何をすればいいのか?
- まず、やさしいお経(仏の言葉=勤行聖典)を読む。そして、お仏壇をお祀りして、いつも拝む。さらには仏さまの言葉であるお経を書き写す。仏さまのお姿を描き、そのご威徳を観じる。仏さまの世界を讃え、亡き人の冥福を祈るご詠歌をお唱えする。巡礼して自分の足で霊場を巡り仏さまと出会う。そして、仏と自分が一つになる(成仏する)ために瞑想する。
- 勤行聖典を読み、お仏壇を拝み、ご詠歌をお唱えし、写経・写仏を行い、霊場を巡礼し、瞑想する。こうした実践法はずっとずっと昔から、人の悩みや苦しみに救いをもたらしてきたのです。
- Q3仏を観じるとどうなるの?
- 私たちは普段の暮らしの中で、人と人との関わりの中で、誰もが悩み苦しみます。また自分が本来抱いている夢や希望を実現させたい。でも実現できずに癒されない毎日をくり返します。自らの支えやより所となるものを求めもします。いつも満ち足りない自分、何をしていいか分からない、もやもやした心を抱いています。
- だから日本人は毎日お仏壇をお祀りして拝み、無事を祈り、無事に感謝してきました。祈る心と感謝の念がそうした不安や怖れを消し去ってきました。さらに自分の理想である仏に成ることを目指して、そのための実践法をくり返し行ってきました。仏を観じる実践法は怒りやむさぼり、執着にまみれた心を静め、安らかな心地をもたらします。そして、いつの間にか自らが進む道筋を指し示してくれるのです。
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