風信(かぜのたより)No.11
情報の波に、時に、飲み込まれそうになるこの世の中で、次から次へといろいろな出来事や情報や用事があなたの身体を通り抜けてゆきます。あなたは、その速すぎる流れの中で、自分を見失っていませんか? あなたにとって、本当に大切なものと、どうでもいいものとをしっかりと区別していますか? 何でもかんでも同じにして、かけがえのないものや大切なものまでも、他愛もないものと一緒にしてしまう。見極めないままに、見過ごしてはいませんか? あなたが愛する人、尊敬する人、気になる人、その人と会う時は、身ぎれいにする。例えば、そういう人を自分の家に迎える時には、そこかしこまで掃除してきれいにする。細心の注意を払い、出来る限りの心配りでおもてなしする。居住まいを整え、襟を正して、自分の精一杯で尽くそうとする。同じように、この用事だけは何をさし置いても、きちんと済ます。忙しく追い立てられても、忘れることなく、事あるごとに自分に言い聞かせて、成し遂げようとする。そういう特別な想いを感じられる人やモノがありますか。例えばそれが、大切な人との何か記念の日、思い出の日だったり、今は亡き人の命日だったり。自分が自分らしくあるために、忘れてはいけない、心掛けていたいこと、こだわっていたいことがあるのではないですか? どーでも良いことと一緒にして、ないがしろにしていませんか? 大切なひとときや、忘れてはいけない事や、かけがえのない人。それをいつまでも忘れずに育んでいかなくてはなりません。あなたがあなたらしくあるために必要なもの。それは、あなたが、今に至るまでに、あなたに対して向けられた想いや愛情、あなたが成長するたびに支えとなったものだからです。あなたの血となり肉となるのに必要だったもの。それを、もう一度、振り返り見つめてみて下さい。つまらない情報やちょっと見た目は心地良さそうなことに幻惑されることなく、あなたがあなたらしく生きてゆく時、糧となるものにしっかりと目を向けて下さい。そして、それを大切にしながら、あなたのかけがえのないものへと必ず育んでください。なぜなら、それが、あなたのこれからの生きる力、支えとなるからです。きっと、かならず。